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儘にならぬは浮世の謀り

主に映画の感想を呟くための日記

映画感想:ビッグアイズ


映画『ビッグ・アイズ』日本版予告 - YouTube

 

恒例の簡単な感想から。

結構、面白かった。

といった感じでしょうか。

 

 正直、個人的にはティム・バートンの監督の映画は、少し合わないというか、なんだか物足りない感触を毎回毎回覚えてしまうのです。

 確かに奇妙奇天烈で、極めて、退廃的で耽美な美術や、グロテスクで、どこかシュールなイマジネーション、それらを裏打ちしている大きな絵画への愛などは理解できるのです。そして、僕もそこはいつも大変好意的に鑑賞しています。ハッキリ言って、ティム・バートンが愛しているものと非常に近いものを僕も集める癖があります。なにせ、蘭郁二郎みたいな作家が好きな人間ですから。

 

 ただ、それでも――なんだか、ティム・バートンの映画は毎回なにかが足りないのです。しかも、「あれ、ここが足りないな」と思う部分が、映画ごとに微妙に異なっているのが困るところなのですが。例えば、バットマンの二部作は、ラストなどは大変素晴らしいのですが、途中のくだりでアレ?と思ったり(ペンギンなどは素晴らしいんですが…)、スリーピー・ホロウでは逆にラストの異様な萎み具合にえ?と思ったりと、とにかく、毎回毎回、引っかかる場所が変わるものの、「なんか足りない」というのが共通で問題としてあると思います。

 そういう意味で言うと、今回もやっぱり、ちょっと「あれ……足りないな」という部分があるのは否めません。なんというか、もうちょっと、夫婦二人の心情というものを、事実よりも大げさにして描いても良かったのではないかなと。

 

 が、しかし、物足りないところがあるとはいえ「映画自体がつまらなかったか」というと、そんなことはなく、大変面白かったです。本当に現実に起こった芸術家が起こした騒動を、描いていく映画という意味では、同じティム・バートンの「エド・ウッド」などを連想する人も多いでしょう。実際、実は結構「エド・ウッド」と似たようなところをテーマとして啄いている映画でもあります。エド・ウッドが好きだった人は、ぜひ鑑賞されるといいと思います。

 個人的には、むしろ「エド・ウッド」よりも、去年公開された映画「ヴィオレッタ」と対比させて見てみると面白いかなという気もしました。芸術家を取り巻く、現実。経済。お金の問題。その現実の中で、でも、芸術を広めたい。承認されたいという願望。承認のためには、芸術をお金に変えなければならない現実。そのために、芸術をつくることを強要されてしまう関係。芸術と現実の折り合いの付け方。

 特に承認されたい欲求の中での、葛藤は、誰しも多少なりとも覚えがあるものだとも思います。

 

 この映画の主人公は、基本的に奥さんである、絵画を作っていたマーガレットなのですし、この映画は彼女の物語です。しかし、同時に、”絵画を作っていると偽っていた――「世の中に認められたい認められたい」と願い続けた――ウォルターの、承認欲求の物語”にもなっているのです。

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