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儘にならぬは浮世の謀り

主に映画の感想を呟くための日記

映画感想:心が叫びたがってるんだ。

映画感想 辛評


映画「心が叫びたがってるんだ。」予告編 - YouTube

恒例の手短な感想から

面白かった。ただ、正直、食傷…。

といったところでしょうか。

 

 面白くなかった、というわけではなく、映画としては及第点を余裕で超えるくらいの面白さはキチンとあったと思うので、決して否定的な感想ではないのですが、しかし、僕的には、もうこのコンビの作品はどうでもいいかな、と言わざるをえない部分があるのも事実です。

 というよりも、青春劇というジャンル自体が、もうどうでもいいのかもしれません。この手の青春劇――もうここ10年近く、作りすぎている気がするのは僕だけなのでしょうか。しかも、どの映画も、あまり内容に差がないというのが困ったところで。終盤で体育館を使って、なんかの演し物やって…そこで奇跡的ななにかが起こったうえで*1劇中の登場人物たちの心情が一気に交錯して…という形式を使いすぎて、最初の時点でオチがどうなるのかまで、まったく寸分の狂いもなく分かってしまう状態になっていると思います。青春にしても、もうちょっと違う形の青春が見てみたいです。

 事実、この映画、設定とか話の筋書きとかが、この作品の脚本家がかつて手がけたアニメ「true tears」に結構、似ています。

 「true tears」は、過去にあった出来事から、涙を流せなくなってしまった少女・石動乃絵。そして、絵本作家になりたいけど、家を継げと言われているせいで、いろいろなことが上手くいってなかった仲上眞一郎の二人が出逢うことで、周りのもろもろが変化していくという話です。で、その過程で、乃絵が眞一郎の絵が描けるという才能を見込んで、死んでしまったニワトリの物語を作って欲しいと依頼したり、親同士が不倫してたんじゃないかという不安から、眞一郎との仲をわざと遠ざけていた幼なじみの湯浅比呂美が、乃絵と仲良くしている眞一郎を見て嫉妬したり、乃絵と比呂美が三角関係に陥って喧嘩したりして、最終的に、比呂美と眞一郎が元鞘に収まり、乃絵も涙を流すようになって、ENDという筋書きなのですが、どうですか、「true tears」の筋書きを説明しているだけなのに、ほとんど、「心が叫びたがってるんだ」のネタバレになってしまうでしょう

 いかに食傷の状態に陥っているかがよくわかると思います。このコンビをして、もうすでに似たり寄ったりなことしかできない状態とも言えます。この青春劇というジャンルは。

 

 なので、この映画に関しては、面白かったけど、同時にもういいだろという気持ちが同居せざるをえないのです。

 それでも、面白かったことは面白かったです。まあ、設定がどういうわけか、なんかリアリティが感じられなくて、序盤は本当に話に感情移入しづらいとかそういう問題もありましたが。

 あと、一応、「true tears」との差別化を図るためか、野球部のエースを登場人物に加えたりしていましたので、まあ、そこは評価してもいいのかなと。…ただ、これ、「桐島、部活やめるってよ」を意識して入れた登場人物にも思えて「そのわりに、桐島~ほど深いテーマをさらわないで、終わってしまうのはどうなのよ」とも思うところもあります。

 いずれにしても、このコンビの作品の中では、一番、穏当な出来であるとは言えると思います。登場人物、みんな嫌なやつではないですし、それほど大きな衝突も起きません。ラストに見ていて、白けるようなアレな行動を登場人物が取ったりもしませんし。安心して、萌えられるアニメとしては上等な出来なのかもしれません。

 ただ、その分、今までの作品には一応あった「人の心のドス黒さ」みたいなものの描写が、まったく出て来ないので、僕としては、そこも不満があったりするのですが…。

 

 ともかくとして、本作に関してはこのような評価です。悪い作品ではないです。いい作品です。面白いです。でも、いい加減にしてくれと思っていますし、手放しで絶賛は無理です。

*1:しかも、その演し物の描写が決まって、山下敦弘監督の「リンダ!リンダ!リンダ!」オマージュという…それ以外の描写をやっちゃいけない規制でもあるんですかと言いたくなるほど、これが頻発されます。本作も、モロにオマージュしてます

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