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儘にならぬは浮世の謀り

主に映画の感想を呟くための日記

2015年映画ランキング

 2016年になりました。ということで、早速、2015年に公開された映画から、ランキングを発表していきたいと思います。カウントダウン形式で、10位から。

 

10.ギヴァー 記憶を注ぐ者

感想記事はこちらから。

harutorai.hatenablog.com

公開期間が短すぎて、ほとんどの人が鑑賞出来なかったと思われる本作ですが、低予算ながら、なんとか原作の面白さを引き出させていたことが印象に残って10位です。

 

9. セッション

 こちらはちょっと、本ブログに感想記事は載せていません。が、素晴らしい映画であったことは間違いないと思います。個人的に、実は自分が、ちょっとジャズ方面の音楽を目指していた人間であったこともあり、ちょっと痛い思い出を抉られるような描写も多々あって、並々ならぬ思い入れがあります。

 ちゃんとしたジャズの映画とは到底言えず、テーマ曲さえ、チープすぎて学生が作ったかのような出来なのですが、かえってそれが、この映画のリアリティを補強していて、余計にトラウマを思い出さされてしまうのです。

 ちなみに、某演奏家は酷評していました――が、断言しますが、ジャズ界ではこういうことはよくあります。しかも、別にアカデミックな場でなくても、こういうことはあります。

 もし「こういうことに遭遇したことがない」というなら、それはあまりにも、”周りが良い環境すぎることに当人が気がついていない”か、あるいは”周りで起こった小さい事件に気づいていないか”のどちらかであり、どのみち、あの演奏家の方は酷く鈍感だと言わざるをえません。

 そんな抗議の思いもあって9位です。

 

8.マッドマックス 怒りのデス・ロード

 感想記事はこちらです。

harutorai.hatenablog.com

  この映画に関しては「なぜ8位なのか」とかはあまり語る必要がないような気がします(笑)ドーン!ドカーン!V8ー!「よしっ!でも、他の映画も良いやつあったから8位で!」こんな感じです。

 

7.チャッピー

感想記事はこちらです。

harutorai.hatenablog.com

  こちらがマッドマックスより上なのは、一重にチャッピーという存在のおかげです。単純にエンターテイメントとして語れば、マッドマックスに7:3で負けるのですが、チャッピーは実は単純なエンターテイメントではなく、世界の貧困を伝えている面もあるというここに尽きます。

 

6.ジョン・ウィック

 感想記事はこちらです。

harutorai.hatenablog.com

  記事でも評したように鵺のような、ヘンテコ映画であり、人を選ぶことは間違いないです。話の筋も突拍子もないですし、シュールです。しかし、だからこそ、ハマった人の心は逃さない映画でもあるのではないかな、と。なので、ハマった人としては6位に選ぶ次第です。

 

5.プリデスティネーション

感想記事はこちらです。

harutorai.hatenablog.com

  なんといっても、原作を読んでいる僕からすれば、この上ないほどの素晴らしい改変をしてくれたというのが大きいです。記事にもある通り、元の「輪廻の蛇」では、そこまでハッキリしていなかった、作品としてのテーマや面白さが浮き彫りになっていて、原作よりもオススメな映画になっているのです。しかも、原作は、SFの中でもどちらかというと、SFに慣れている玄人向けな内容であるにもかかわらず、です。

 なので、そこを評価して5位です。

 

4.キングスマン

 感想記事はこちらです。

harutorai.hatenablog.com

  実は、この映画を見るまで、今年の映画ベスト10は埋まっていませんでした。「スターウォーズ」や、「心が叫びたがってるんだ。」も、良作だけどベストに入れるほどではないんだよなぁ…という中で、本作を鑑賞したのが正解でした。はっきり言って、日本での公開年が違っていれば、この作品がベストになる年があっておかしくない出来の作品です。詳しくは記事に書いていますが、マシュー・ヴォーンは本当にとんでもない才能です。

 

3.バードマン(あるいは、無知がもたらす予期せぬ奇跡)

感想記事はこちらです。

harutorai.hatenablog.com

  マシュー・ヴォーンを上回ってしまった映画、その一です。結局、上半期の上位3つは不動のままで僕の中では落ち着きました。詳しくは感想記事に書いてありますが、記事内では書かなかったことに一つ言及。この映画、とっくに話題になっていましたが、音楽も素晴らしいのです。特に僕はジャズ・ドラムのクオリティだけでなく、あのジャズドラムのみのBGMが、”舞台裏の雑多にガヤガヤしている感じ”、”ニューヨークの雑多にガヤガヤしている感じ”というものを観客に実感させている舞台装置になっているところにグッときたりしました。ある種、映画音楽の理想の一つです。

 

2.インヒアレントヴァイス

感想記事はこちらです。

harutorai.hatenablog.com

  マシュー・ヴォーンはとんでもない才能だ、と書きましたが、マシュー・ヴォーンよりも前から、とっくにとんでもない才能だと分かりきっていた監督といえば、当然、ポール・トーマス・アンダーソンになると思います。なにせ、クローネンバーグの「マップ・トゥ・ザ・スターズ」で、その名が出てくるほどの、名声と才能ぶりですから。

 その彼が、トマス・ピンチョンの話題作を映画化…とは、僕のような小説と映画を掛け持ちするファンにとっては、制作発表時からお祭り状態です。そして、案の定、映画自体も素晴らしく仕上がっているので「PTAは更に恐ろしい」と震えるばかりです。

 実は、このインヒアレントヴァイス、記事では言及しませんでしたが、本作は70年代~80年代のアメリカを描いているのですが、PTAの前作「ザ・マスター」は50年代~60年代のアメリカであり、この二つは並べて鑑賞しても相当面白いので、そんな鑑賞の仕方もオススメです。

 

1.神々のたそがれ

感想記事はこちらです。

harutorai.hatenablog.com

  僕は一応、それなりに芸術系の映画とエンタメ系の映画が並んだら、エンタメの映画をとりあえず上位に推したりするような人間なのですが、やはり、今年はこの神々のたそがれが強かったです。強かったというか、強すぎました

 もう、とにかく、この映画には全ての要素が詰まっています。マッドマックス的な荒廃した世界の雰囲気もあれば、インヒアレントヴァイス的な高尚さも求められ、しかも原作は玄人向けSF「神様はつらい」で、その原作を、究極的に描き詰めているわけですから、他の映画は叶いません。制作年月も、半端じゃ無いほど掛かっています。挙句、監督本人さえ完成品を見ずに逝ってしまったわけですから。

 決して、単純に難しいだけの映画ではないのも素晴らしいです。露悪趣味的なところもあれば、イマジネーションとして面白いところもあります。しかも、笑えるやり取りなどもあったりしますし、一人の男が、もがき苦しんで苦悩したり、ハッタリをかましたり、色んな感情を沸き起こしながら邁進し、それでも上手くいかない姿を描いたモキュメンタリーでもあります。

 やはり、今年はこれがベストです!

 

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 さて、2015年のベストはいかがだったでしょうか。

 振り返ってみると「2015年は、本当に映画は……うーん……な年だった」と言うしかない部分があります。上記10作は他の年でもおそらくベスト10入りを余裕でできるほどに素晴らしいのですが…全体的には…ちょっと…。去年や一昨年の「毎月ごとにとんでもない映画が出てきて、話題作もあって、お祭り状態で、もはやちょっと自分が世の中に追いつけないのではないか?!」という危機感からすると、本当に「話題作もとんでもない映画もあまりないままだったね…」という低調な年でした。

 振り返ってみても、よくよく考えると話題作は全て「話題の名作小説映画化」か「過去の名作映画のリブート」あるいは「漫画、アニメ実写化」等々、"元々人気だったもの"のおこぼれに預かるような形が多く、純粋な”新作映画”として話題になったのは、チャッピーとジョン・ウィック*1バードマン*2、セッションくらいというのは、少し危機感を覚えます。

 元から、近年の映画は上記のような傾向にあるのですが、2015年はこの傾向が例年よりも強くなっているように感じています。しかも、リブートに失敗した作品があちらこちらで散見されたり、と現行の「リブートで儲けようぜ体制」にもボロが出てきているのです。

 一年くらいならば、こういう年があっても良いのですが、もし、この調子がこれからも続くようだと……ちょっと、不味いのではないかなと。

 そんな危機感を覚えつつ、しかし、「きっと2016年は、これが打破されるのだろう」と信じてこれからも映画をたくさん見たいと思います。

 2016年もこのブログをよろしくお願いします。

*1:果たして、JWが話題になったと言えるのかは、この際、置いておいて…

*2:ただ、バードマンはバットマンがあるんですよねぇ…

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