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儘にならぬは浮世の謀り

主に映画の感想を呟くための日記

映画感想:ブラックスキャンダル


映画 『ブラック・スキャンダル』本予告【HD】2016年1月30日公開

 恒例の手短な感想から

やっぱ、グッドフェローズだった!でも面白い!

 といった感じでしょうか。

 

 上に転載した予告編を、映画館で見たときから、少しでも映画に詳しい人ならばすぐに思ったはずです。このブラックスキャンダル、予告編の時点で、どこからどう見ても、グッドフェローズ・フォロワー映画にしか見えないと。正直、予告編の段階で明かされている人物の関係を見ても一昨年の映画「アメリカン・ハッスル*1」っぽいところがありますし、とにかく中身がグッドフェローズっぽいと。グッドフェローズ臭がぷんぷん漂うと。予告編の一コマごとに「グッドフェローズ」という言葉がサブリミナルで入ってるのではないかと思うほどに、グッドフェローズを連想せざるをえませんと。

 で、そのとおりの内容となっています。もう物語の始まり方からして、極めてグッドフェローズ的であり、なおかつ、グッドフェローズ的な暴力シーンがじゃんじゃん出てきて、グッドフェローズ的な人間模様があって、グッドフェローズ的な終わりを迎えていく……ほとんどグッドフェローズと同じ映画と言っても過言ではないです。

 一体、何回グッドフェローズと書くつもりなんだというくらいに、グッドフェローズグッドフェローズ書いていますが、本当にそれくらいほとんどグッドフェローズな内容なので、そうとしか書きようがないのです。

 

 で、そこまでグッドフェローズっぽすぎる本作なのですが、かなり面白かったです。実は、ネットを検索すると一部の人には不評を買っていたりもするようなのですが、少なくとも「グッドフェローズ」が好きな人にとっては、この映画はかなりオススメできます。

 正直、最初から最後まで、クレジットを見るまでまったくその人と分からないほどに見事に役作りをしているジョニー・デップの圧倒的な存在感はもちろんのこと、他の役者の演技もかなりいいのです。

 また、確かに内容としては、ほとんどグッドフェローズな内容なのですが、とはいえ、まったく違う実話を元に作っているところもあるせいなのか、映画自体は、実はグッドフェローズとはまた少し違ったテーマが浮き彫りになっているところも興味深いです。

 この、浮き彫りになっているテーマというのは「支配」です。

 

 人間の中には、極めて他人を操るのが上手な、支配が上手い人間というのがいます。それも単に「人を騙すのが上手い」とか、そういう意味ではなく「みんな、嫌だなと思っているのに、なぜか関係を上手く断つことが出来ず、対面するとなぜだか逆らえなくなる」という、極めて、外野からすれば不可解な形での支配というものが、なぜか出来てしまう人間というのが、世の中にはときたま、いるものです。

 この映画に登場する犯罪王・ホワイティは限りなく、上記の形での支配が上手い人間であるように見えるのです。

 そして、ホワイティの周りにいる、彼と深く関わっている人間たちは、その支配下に置かれた人間であるように見えます。誰がどう見ても、暴力的で危険な人物にしか見えないホワイティを、不自然なほどに「本心は良いやつなのだ」と擁護する弟・ビリーやFBIのコノリーは、その代表です。

 特に、FBIのコノリーは、究極的に支配されている人間です。まるでステレオタイプをパターンで描いたかのように、そういった支配されてしまっている人間が行いがちな行動を次々に起こしていくのです。

 コノリーとホワイティの関係からは、人間として自分もやりがち・そして、やられがちな「支配した・されたときの、奇妙な連帯感」というものが、非常によく表されていると言えるでしょう。

*1:デヴィッド・O・ラッセル監督の映画。この作品も露骨にグッドフェローズ・フォロワー映画となっています

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