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儘にならぬは浮世の謀り

主に映画の感想を呟くための日記

映画感想:ゴーストバスターズ

映画感想 酷評


映画 『ゴーストバスターズ』予告1

恒例の手短な感想から

こんな出来の映画を平然と出してきたことが恐怖だよ!

といった感じでしょうか

 

 いやー、まさか、この映画がこんなに酷い出来になっているとは…。最初の予告編の「ひょっとして、まだ映画、撮ってすらいないんじゃないのか?」と思わせるような時点で嫌な予感は漂っていたとはいえ、前評判的には悪くない声も聞かれたりしていたのので、まさか、こんなに、ありとあらゆるところがダメだとは想像していませんでした。

 なにからなにまで、ダメなところだらけなので、具体的にどこから突っつけばいいのか分かりません。それくらい酷いです。

 

 まず…そうですね。3D版についての話からしましょう。

 はっきり言いますが、本作、3D版での鑑賞は絶対にやめたほうが良いです。本作の3Dは専用のカメラで撮ったものではなく、最初に普通のカメラで撮ったものを、無理やり3Dにしているだけのもので、しかも、3Dがかなりクオリティの低いものです。

 3D映画初期くらいのクオリティで、場面によっては「そもそもあんまり3Dが働いてない」ことも多いです。(実際、3Dメガネを外しても、ほとんど人物等がボヤけない場面が、かなりあります)これに3D料金を払うことは、ほぼボッタクられているのと同義なので、注意してください。

 

 そして、本編なのですが、これを見るくらいなら、元々の「ゴーストバスターズ」をレンタル店で借りて見たほうが、全然良いです。というか、この映画を見るときに「ゴーストバスターズ」を見るつもりで見てはいけません。「モテない女版セックス・アンド・ザ・シティ」か「かなり劣化したアリーマイラブ」か「恋愛要素のないブリジット・ジョーンズの日記」を見たいという人だけが見るべき映画です。

 なぜなら、この映画、ほとんどゴーストバスターズがゴーストをバスターしている場面がないからです。というか、バスターズがゴーストを捕獲するシーンは、二回しかありません。最初の捕獲と、クライマックスのみです。しかも、最初にゴースト捕獲するシーンさえ、映画が始まってから1時間以上も経ってから、ようやく出てくる始末で、明らかにそもそも映画の作り手たちは、ゴーストバスターズを作るつもりがありません。

 作りたいのは、頭のおかしい(モテない女性を非常にバカにしているような)女4人組と、頭空っぽのイケメン男との、くだらないギャグだけです。だから、ゴーストバスターズを見るつもりで見てはいけないのです。

 

 では、ギャグは面白いかというと、これがちっとも面白くありません。吹き替えの翻訳が悪いのか、元々がつまらないのか、あるいは両方なのか、とにかく繰り返されるのは、お下劣な(主に女性器に関係する)下ネタやら、頭ゆるふわのメタネタギャグやら映画ギャグやら……「これなら、日本のギャグアニメ見てたほうが面白いわ」と思えるレベルのやり取りがずぅっと続きます。

 唯一面白かったのは、オジー・オズボーンが「ヤク抜いたのに、幽霊見える!」と叫ぶシーンくらい。

 そして、脚本も言わずもがな。相当に低いクオリティで――というよりも、そもそも元の脚本なんて無かったのではないかと思われるレベルで整合性がついておらず、投げっぱなし、やりっぱなしで、その後まったく触れられないものだらけ。大学の研究とか、最初の館の人々とか、その他諸々「おい、あれどうなったんだよ?!」という観客の全ての疑問を無視して、自分勝手に話が邁進していく始末です。

 

 なによりも、この映画にはテーマというものがありません。一つ、ハッキリとしたものがないのです。そんな明確で、偉そうなテーマでなくても良いのです。友情でも、平和でも、なんでもいいから、何か一つハッキリと、この映画が描きたいもの――それがこの映画には決定的に欠けているのです。

 なんとなくパロディっぽい場面になって、なんとなくギャグっぽい場面になって、なんとなくミステリーっぽい場面になって、なんとなくアクション映画になって……しかも、その全てがまったく伏線もなく唐突に始まる状態の、この映画にテーマがあるわけもないのですが。

 あえて言えば、辛うじて唯一、テーマっぽいのは、ダメ女同士の友情なのですが……普通、そういう友情を描こうとなったら、それなりにメンバー間で褒め事が起こって、ちょっと人と人が距離を置いたりして、あるいはバスターズをやめる人間が出たりして――からの、クライマックスで最後に登場!くらいの、筋書きにするものです。

 が、この映画はそういうことは一切やっていません。だから、本当につまらないのです。まったく見ていて、興味を惹かれないのです。「あれどうなるの? これどうなっちゃうんだ?」というハラハラやドキドキがないのです。

 

 なによりも、この映画のなにが一番許せないって、放射性物質です。

 打ち間違いではありません。

 一番許せないのは、放射性物質についてです。

 確かにゴーストバスターズは元々の映画の時点で、原発ギャグや、原子力ギャグが多数入った映画でした。*1

 とはいえ元の映画では「原子炉とかは怖い」ということを利用したギャグをかましており、基本的には「原子力系のエネルギーは扱いが難しいんだ、怖いんだ」ということを前提にしていました。

 が、本作はまったくそこが正反対で、平然と登場人物が「放射線のせいで体が温まってるんじゃないの」だの「核反応後の匂いがする」だのと言いまくっており、原子力エネルギーは扱いが簡単だと言わんばかりに、登場人物たちが原子力エネルギーに対してラフな反応をし続けるのです。

 挙句にラストでガイガーカウンターを出して、一時間以上いると危険だの、くしゃみをすれば爆発するレベルだの言い出したり、卒倒しそうな内容です。

 この映画がやっている無神経すぎる放射性物質への扱いは、放射脳とか、ああいう人達が嫌いな僕でさえ、かなり頭に来ました。

 

 2016年、ワースト。

 そう断言してもいいかもしれません。

*1:元の映画、1984年の「ゴーストバスターズ」クライマックスの引き金となる、バスターズが幽霊を封じていた機械の爆発は、過程がチェルノブイリ事故に似せた過程になっており、かなり意識しています。

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