儘にならぬは浮世の謀り

主に映画の感想を呟くための日記

2018年映画ランキング

 あけましておめでとうございます。

 だいぶ遅くなってしまいましたが、新年になりましたので、2018年に映画館で鑑賞した映画についてランキングを書いていきたいと思います。

 

 2018年に鑑賞した映画は、以下の通りになっております。

 ・カンフーヨガ

キングスマン:ゴールデンサークル

・劇場版 マジンガーZ/INFINITY

・羊の木

・ロープ/戦場の生命線

祈りの幕が下りる時

15時17分、パリ行き

シェイプ・オブ・ウォーター

ちはやふる-結び-

リメンバー・ミー

パシフィック・リム:アップライジング

レディ・プレイヤー1

孤狼の血

いぬやしき

犬ヶ島

万引き家族

・傀儡

リズと青い鳥

ニンジャバットマン

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

未来のミライ

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

ファントム・スレッド

ペンギン・ハイウェイ

寝ても覚めても

泣き虫しょったんの奇跡

プーと大人になった僕

ムタフカズ-MUTAFUKAZ-

若おかみは小学生!

クレイジー・リッチ!

・ヴェノム

ボヘミアン・ラプソディ

・銃

機動戦士ガンダムNT

ドラゴンボール超 ブロリー

グリンチ

以上、36本となっております。

 

 結構、仕事で忙しい一年だったのですが、振り返ると、わりとコンスタントに新作映画を鑑賞出来ていたようです。思い返すと、あの映画この映画――様々な映画の様々な場面に抱いた思い入れが蘇ってきます。

 

 さて、そんなわけで15位から1位まで、自分の2018年映画ランキングです。

 

15位:プーと大人になった僕

基本的には良作だと思うのですが、ラスト付近が雑なのが惜しいということで、15位です。

harutorai.hatenablog.com

14位:犬ヶ島

いかにもウェス・アンダーソンらしい一作で好きなのですが、 逆に言うとかなりアクも強い作品なので、ちょっと大手を振ってオススメも難しいかなと。

harutorai.hatenablog.com

13位:銃

非常に素晴らしい映画で、どうしようもないゴミだった原作を、見事な傑作に出来た一作という点は最高だと思います。 ただ、言ってもゴミな原作に引っ張られている箇所もあり、やはり、13位が限界ではないかと思います。

harutorai.hatenablog.com

12位:ロープ/戦場の生命線

 今までにない切り口の戦争映画であり、そして、現代的な戦争の有り様をよく描けている本作は、間違いなく鑑賞したほうが良い映画であることは間違いないです。harutorai.hatenablog.com

 11位:ニンジャバットマン

今までの映画より順位が高い理由は、女性キャラがすっごい自分の好みだったこと、そして無駄なスーパー戦隊オマージュに爆笑したからです。それ以上の理由は特にありません。

harutorai.hatenablog.com

 

以上、11位まででした。11位までは「ランキングの俎上には上げたいが、思い入れはそこまで無い映画」といった感じの映画群になっております。10位からは、個人的な思い入れもある、映画となっております。

 では、10位から。

 

 10位:シェイプ・オブ・ウォーター

 全体的に奇麗にまとめられており、ギレルモ・デル・トロ作品の中では間違いなく一番の傑作であることは、確実な本作。作品のクオリティのみを焦点に当てれば、オスカー像を貰ったのも納得の出来です。すっかり、最近の洋画で見なくなってしまった、上品な雰囲気が漂う"ヒューマンドラマ"であるところにも、非常に好感を持って、10位としました。

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 9位:ドラゴンボール超 ブロリー

  いきなりこの映画が9位に来てしまうのも驚きかもしれません。しかし、誰もが一回は鑑賞すれば納得するはずです。「ここまで見事な格闘映画もないものだ」と。山内重保演出オマージュで、悟空とブロリーが戦っている最中に、画面が突然割れて、異次元に入ってしまうところ等、実はアニメーション芸術的な方面でも面白い演出が多く入れられている点も深く評価したいです。

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 8位:ちはやふる-結び-

 なんとブロリーより上に来てしまうんです。本作、ちはやふるー結びーはそれくらいの傑作映画です。少なくとも、エンターテイメント方面において、現状の邦画において最高傑作レベルの技術と構成が投じられた映画といって過言ではありません。

 主演女優がちょっとムカツクだの、少女漫画原作だから気に入らないだの、そんな面倒くさくて、みみっちいことを言っている場合ではありません。これからすべてのエンターテイメント邦画は、この「ちはやふる」を目指すべきです。

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 7位:ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

 こんなに清々しくスター・ウォーズらしい、冒険活劇然とし、スペースロマン然とし、SFドラマ然とした映画が、なぜこんなに話題になってないのでしょうか。冗談抜きで、そして煽りでも何でもなく、周囲が見てないからという理由だけで、本作を見に行かないんだとするならば、あまりにも勿体無いことをしていると思います。

 自分は本作を見て「初めてスターウォーズを見たときの――いえ、初めてSFを見たときの胸躍ったあの感じ」をハッキリと思い出しました。それくらいにロマンと夢とイマジネーションに溢れた冒険劇が本作でした。

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 6位:ファントム・スレッド

 10位のシェイプ・オブ・ウォーター評で「上品な雰囲気が漂う"ヒューマンドラマ"」と評しましたが、今年の洋画でその本道足り得ている作品と問われれば、間違いなく本作であると言えるでしょう。

 上品な雰囲気を保ったまま、かつ、ここまで歪な人間模様を、説得力持って描きあげてしまう、ポール・トーマス・アンダーソンの力量に恐ろしさすら覚えてしまいます。鑑賞後、思わず、映画館のエレベーターの中でまったく見知らぬ人と、この映画の内容について「すごい内容でしたね」「かなり面白かったけど、かなり変でしたね」と語り合ってしまいました。それほどの衝撃的な作品なのです。

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 5位:レディ・プレイヤー1

 ヒューマンドラマだのなんだの言っても、やはり、自分もオタクです。であるからこそ、やはり、本作について大きな評価をついついしたくなってしまうのです。特に本作の何が素晴らしいって、オタクの心たるものの核心を描くことが出来ていることです。

 ただ好きでゲームをやっている――というその行為自体に、なんらかの価値を見出している人たち、それがオタクであり、ナードだと思うのです。中身が、どんな最新技術に変わろうと、どんなに画質が上がろうと、ゲームの中身が変質しようと、そのパラダイムだけは変わることが無いと思うのです。

 イースターエッグを見つけ出した主人公が、ただ呆然と立ち尽くし、涙を見せ、それを見た敵役もまたじっと涙を流した、あの瞬間にオタクの本質があったのではないでしょうか。

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4位: 寝ても覚めても

 本当にあれだけ難解な出来であった原作を、余すところなく、映画として作り上げてしまった本作と、そして本作の作り手たちには、感謝と敬意しかないです。

 柴崎友香という作家の特殊性ゆえに「特殊すぎて文学以外では絶対に、この作家の魅力が分からない」と思い込んでいた自分の頑なな思考に、本作は見事に穴を穿ちました。

 映画には、まだまだ知らない魅力を引き出せる可能性が、塊のようにごそっと転がっており、ただ、それに誰も気づいていないだけなのだとそう思えるようになりました。本作に関しては、各演者の演技も見事なので、そこも合わせてじっくりと味わってほしいです。

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 3位:万引き家族

 やはり、本作は2018年の映画において、とても重要な一作であるような気がします。ここまで中身を見てないままに、色んな人が語ってしまった映画――ということも含めて非常に2018年の、ここ数年の日本の空気というものを上手く内包できた映画ではないかと思います。

 もちろん、単純に映画の中身のみをそのまま見た場合も、素晴らしい出来であることは言うまでもありません。仮初めの家族たちの行方を、最後まで不明にしてしまった――修復されるのかされないのかさえ、本当に不明なまま――終わらせてしまう本作には、そしてラストカットのあの子の寂しそうな姿には、言い知れない感情を誰もが抱くことだと思われます。

 亡くなられてしまった樹木希林の「あ、これ、樹木希林もうすぐ死ぬんじゃないか?」と思わせてしまうような姿を、バッチリ映してしまっていることも含めて、なんとも映像にする意味があった、映画めいた映画ではないでしょうか。

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 2位:リズと青い鳥

 やはり、自分の中で音楽というものに対する思い入れ、それに対する哲学が深くあるんだな、ということを本作で実感せざるを得ません。自分はどうしても、素晴らしい音楽映画をトップレベルに置いてしまうのです。自分が音楽教師の親から生まれ、音楽家を目指していたというその生い立ちゆえに仕方ないことです。

 そして、本作は間違いなく、音楽の真実の姿を描き出した一作であることは間違いないです。ただの百合をテーマにした薄っぺらいアニメ映画ではないのです。音楽という――人類がひょっとしたら言葉よりも、文字よりも早く獲得したかもしれない――コミュニケーションツールにまつわる功罪を、これでもかと見せつけてしまっているのが本作なのです。

 そして、人と人の間にある、共依存的とも言える関係性の尊さと、その関係性にある残酷な一面の2つをじっくりと見つめている本作は、ヒューマンドラマとしても、間違いなくよく出来ているのです。

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 1位:泣き虫しょったんの奇跡

 さて、衝撃の1位だと思いますが、本当に、本作が自分にとっては2018年の1位です。泣き虫しょったんの奇跡は、その題に似つかわしくないほどに、夢を追う若者が夢破れていく人生を克明に描いております。

 しかも、その上で再び様々な人達の夢も一緒に背負いながら、夢に立ち向かっていく一人の男の人生を描いた作品でもあり、中身は本当にロッキーのような骨太映画となっております。

 夢を目指したことがあるものならば、誰もが一度は経験したであろう場面を、釣瓶撃ちしてくる上に、夢が終わってしまった瞬間の、先が見えなくなってしまったあの感じを徹底的に描こうとしてくる本作には、どうしても同じく夢破れた人生を歩むものとして共感せざるを得ないのです。

 そして、その上で、本作は将棋というものを鑑賞してしまう、将棋ファンの気持ちも的確に描いています。やはり、他のジャンルと同じく、将棋ファンもまた何かに夢破れた者たちであるからこそ、様々な期待を背負って、負けられない大一番に向かっていく棋士の姿を応援しているのです。

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 総評:

 2018年の総評ですが、「え、邦画が思った以上に面白いんだけど!」といったところでしょうか。本当に邦画の復調ぶりが目覚ましくて、テンペスト3Dの駄作ぶりに絶望した、7年前の自分に教えてあげたいほどです。

 このブログでも、例年のように「邦画が復調傾向」と唱えてきましたが、特に今年は爆発した年だったなと言えます。特に自分はヒューマンドラマ映画を重視する傾向があり、最近の邦画は、このヒューマンドラマに強い映画が多いので、洋画よりもついつい邦画の方に手が伸びてしまいます。

 洋画については…………ノーコメントです。名作童話を汚すようなリメイク映画と、ヒーロー映画、そして、ディズニーしか目立たない状況ではちょっと語るのが難しいです。

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