映画感想:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
『スター・ウォーズ』スピンオフ!『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』予告編
恒例の手短な感想から
終わりよければ全て良……いわけねぇだろ!!
といった感じでしょうか。
それなりに期待していた自分としては、久々に、悪い意味で予測が外れてしまったことに、大変なショックを受けています。正直、これは巷では不評だった、JJエイブラムスのエピソード7よりも*1明らかに、ダメな出来ではないでしょうか。
この映画……一体、どこからツッコミを入れればいいのでしょうか。いえ、白兵戦シーンや、クライマックスの展開などはよく出来ているのですが、しかし……それにしても、この映画全体の、矛盾とご都合主義の異様な多さは、一体どうしたらいいんでしょう?
しかも、どの矛盾点も「それ、話としてはそこそこ重要なものじゃないのか」という部分が、ことごとく矛盾している状態です。
「え、お前、冒頭であのスパイは殺してたのに、こっちのスパイは保護するの?」とか「あれ、お前、頭の中を読み取られて、頭がパーになってたんじゃなかったっけ? そのわりには……あれ……?」とか「あれ、お前、序盤では『立ち向かったって意味ない』とか、そんなこと抜かしていたのに、成長した描写もなく、言ってることが180度変わってるってどういうこと?」とか、そんな感じの矛盾やご都合な場面が、まあ観ている端からボロボロと見つかってしまうのです。
いえ、そもそも、この映画は矛盾云々を差し引いても、意味が分からないほど話がゴチャゴチャしすぎです。おそらく、序盤から話に追いつけなかった観客も多いのではないでしょうか。
どの登場人物も場所も、変に設定が入り組んでいるのです。しかも、入り組んでいる設定なわりには、それが活かされたようなキャラ付けやビジュアル付けがなされているわけでもないので、入り組んだ設定を理解するのが難しくて仕方ありません。
しかも、入り組んだ設定のわりに、ちゃんと設定が練り込まれているとはとても思えない部分も多いのです。重要なスイッチが、なぜか野ざらしになっている敵の施設など、「真面目に考えてないだろ!」と言いたくなってしまう部分が多すぎます。
挙句にカメラワークの方も、アクションシーンは接写しすぎでゴチャゴチャしており、なおかつ、普通の会話シーンは(予算をケチったのか)妙に背景を隠すように群衆がゴチャゴチャしているという状態で、どっちにしても、ゴチャゴチャしています。
いや、これで痛快な娯楽として、この映画を見ろというのは無理な話でしょう。
辛うじて良かったのは、上述したように「白兵戦シーンや、クライマックスの展開」などです。まあ、正直、「白兵戦は最近のFPSゲームっぽすぎるだろー」とか、「クライマックスの展開は、十三人の刺客やワイルドバンチを意識しすぎじゃないか…」とか、気になる点がないわけでもないのです。
ですが、全体的にどうしようもないこの映画にあっては、過ぎたものとしか言いようがない出来で、またラスト付近でエピソード4に巧みに繋げる部分も悪くはありません。サプライズとして、あるキャラクターが最後の最後で大立ち回りを見せるのも、ファンサービスとして、いいでしょう。
逆に言うとここくらいしか、この映画で評価できるポイントは無いのですが……。あとは……「あ、耳動かすシーンは、座頭市オマージュだねー」とか、そこくらいでしょうか。
いや、本当に、なんでこうなった……。
*1:ちなみに、このブログでも書いたとおり、自分はそこそこ評価しています