儘にならぬは浮世の謀り

主に映画の感想を呟くための日記

映画感想:マッドマックス 怒りのデス・ロード


映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』予告編 - YouTube

 

恒例の手短な感想から

とてもエンターテイメント!

といったところでしょうか。

 

 北斗の拳などにも影響を与えたことで有名なマッドマックスシリーズの、久々の最新作という時点で、だいたいどういう内容なのかは想像がつくと思います。「いい出来ならばこんな感じだろう、悪い出来ならばこんな感じだろう」といった具合に、大抵の映画ファンならば予想が付けられると思います。そして、本作は、良い出来の方に想像通りの内容となっています

 つまり、過去作をセルフオマージュしながら、器用に話を繋いでいって、なおかつ、過去作以上により過激でエキサイトした内容となっているのです。その結果、映画が始まってから、数分後から終わりまで、ほぼ延々と様々なシチュエーションでカーチェイスをし続けるという最高にエンターテイメントとして成立した内容になっています。

 ここまでエンターテイメントに、もっといえば、観客の興味を引き続けることだけに注力し続けているというのは、実はエンターテイメント系の映画でも相当珍しいです。どこまでエンターテイメントに徹しているかというと、基本的にアクションシーンは早送り状態で編集という徹底ぶりです。

 正直、過去の白黒時代の戦争映画等にも、アクションシーンを早送りにして編集している映画はありましたし、早送りにしてアクションを編集してしまうのは全然アリでしょう。むしろ、この映画を見た後では、なぜ世の中の大半の映画は、早送りにしてでも、ササッとアクションを見せることに注力しなかったのかと疑問に思うほどです。

 また、この映画、この設定と内容でありながら、意外と様々な観客が安心して見れるように配慮しているのもいいです。

 分かりやすいのは、今の映画の基準からすると、だいぶ残酷表現を見せないように避けているところです。もちろん、残酷な死に方をする登場人物は多くいるのですが、「そこに死体があることは認識させつつも、死体自体は映さない」という編集・カメラワークを用いていて、画面自体には、そこまで決定的にグロテスクなものは、本当に一瞬、映る程度にグロテスクがコントロールされています。

 ひょっとしたら残酷表現が苦手という方でも、この映画は鑑賞できるかもしれません。

 もう一つ良いのは、登場人物の葛藤の見せ方です。基本的に極端にセリフでべちゃべちゃと説明させてません。特に主人公のマックスの過去については、結局、作品の最後まで一切説明が入っていません。しかし、そこが素晴らしいのです。そんなものはだいたい話をちゃんと追っていけば十分察しが付くものです。ここの説明をなるべく省いて、作品のテンポを崩さなかったのも評価できます。

 以上、マッドマックス最新作は、非常にエンターテイメントに徹した内容となっていました。映画を見るときは、ぜひ、変に力こぶを入れず、リラックスした状態で最後まではしゃいで見続けることをオススメします。

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